設立趣意書


 近年の情報通信産業分野における発展の度合いは誠に目覚しいものがあり、 ことに通信の自由化を迎えて以来、一般社会生活への情報通信技術の浸透速度には目を見張るものがあります。

 いま宮城県は21世紀プラザ計画を中心とした仙台北部中核テクノポリス構想を推進されんとしておりますが、 この計画の実現のためには県内の受け皿の僅少による首都圏をはじめとする他地域への研究者・技術者の流出という事態の改善を図り、 研究開発を尊重する風土の育成による、多くの研究者、技術者の定着化を図ることが必要と考えます。  そのためには、県内各大学を中心とする情報通信産業分野における研究および教育の振興を図り、 研究成果と人材の提供を盛んにし、その受け皿となるべき県内産業界の発展促進に資することが肝要であります。

 大井電気株式会社元会長 石田 實(故人)は、東北大学工学部の出身で情報通信産業の発展に努めた功績により昭和53年11月黄綬褒章を受賞しております。

 故人は情報通信産業分野の研究、教育が母校を中心とする産学の一致協力で進められることを熱望しておりましたので、 故人の指導薫陶を受けた会社、遺族、関係者が出捐し、産学の一致協力による情報通信産業分野の研究及び教育を重点的に進行し、 研究者、教育者、技術者を支援・育成する事業を宮城県内で行うことを目的とした石田(實)記念財団を設立致しました。

(平成元年 3月設立)




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