10周年にあたってのご挨拶

東北大学 総長

阿部 博之 氏




 石田(實)記念財団設立10周年、誠におめでとうございます。これもひとえに関係各位のご努力の賜物であり、深く敬意を表します。

 さて、以前に私が工学部長時代に財団の発表会に出席させていただいた際、佐藤利三郎理事長より、大先輩であり大井電気(株)の創設者である石田實大先輩についてお話を伺い、その理念に大変感服した記憶があります。今日の日本の国立大学の研究費というのは、平成元年時と比較すると随分大きく伸びている様に思いますが、それでもアメリカに比べますとまだまだ桁が違うと云われます。では何がその違いをもたらしているかというと、一概には言えませんが、簡単に言えばアメリカはやはり、大学の研究が自国の国力の源泉であるという基本認識が非常に強いのに対し、日本においてはまだまだ一般的にそうした考えが浸透しておらず、そこに両国の非常に大きな認識の差が有る様に思われます。そのような、まだ今から見ると国の研究費の非常に小さかった時代に、このような趣旨の財団を設立されて助成をされたということは大変に敬意を表すべきことであると同時に、様々な状況の中で佐藤理事長をはじめとした関係各位の大変な御苦心も想像に難くないものと思われます。

 もう一つ申し上げたいのは、助成金をいただくということは金額の大小もありますが、即ち選ばれたということ、賞賛を得たということであり、そのことが実は非常に大切なことであり素晴らしいことであるということです。そのことを是非とも改めて助成金をいただく方々にご認識をいただければと思います。最近、日本も漸く研究に対する正当な評価を行おうという動きが出ているようで、私も若干携わっておりますが、私は、「評価」とは「誉めること」だと思っております。誉めることもなくただ単に切り捨てる結果に結びつくような対応は研究の活性化ではなく、むしろ低調化に結びつく訳であり、努々そういうことを念頭に置いております。
 
 また、民間の助成団体である石田記念財団から助成金をいただいた方をどうやってピックアップし、データとして皆さんに周知していくかということも重要であると思います。それにも増して、こうした立派な財団を設立されたことに対して、どのように敬意を表していくかということが更に大切な事ではないかと考え、我々も少なからず力添えさせていただいているのではないかと自負しております。

 最後になりましたが、今後の財団の発展を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。

以 上




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